旅するランナー

星くずの片隅での旅するランナーのレビュー・感想・評価

星くずの片隅で(2022年製作の映画)
3.7
【コロナ禍の片隅で】

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた香港。
清掃業を営む男性:ザクとシングルマザー:キャンディの交流を描く人間ドラマ。
不要不急の外出禁止、経済停滞による仕事の減少、人との接触・繋がりの疎遠化、消毒の徹底、マスク入手難...
香港でも、閉ざされた生活を余儀なくされてたんだな。
世界の片隅のあちこちに、そのしわ寄せは押し寄せていたんだな。
と、共感します。

ザクを演じるルイス・チョンが、とてもイイ味出してます。
一方、キャンディは、とっても困ったちゃん。
後先考えず、やらかしちゃって、ザクにとんでもない迷惑をかけてしまいます。
それでも、アンジェラ・ユンが演じると、どこか憎めない。
そういう意味では、絶妙のキャスティングですね。

コロナ禍によって世知辛くなった世の中で、ちっぽけだけどほんのり暖かい優しさが、しみじみ伝わってくる作品です。