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碁盤斬りのmiwaのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

(ネタバレあり)

主人公 格之進は"つよぽん"みが一切ない人物。すごく堅苦しい人で、「清廉潔白」をモットーにしている。なんか近寄りがたい感じ。本当に当時の武士もこんな感じだったのかもと思えた。長屋暮らしの浪人とはいえ…
妻は亡くしているけど、父をよく理解している娘のお絹ちゃんがいて、この子がいなければ、不器用な男格之進は生きてこれたのか?と思うくらい。お絹はいい娘代表みたいな子だけど、後にわかる。両親との関係性というか、母を亡くし父は藩を追われ…という境遇でもお絹は幸せな女の子。両親に想われて育てられてきた。吉原で女将をしているお庚さん(小泉今日子)は父親に売られて幼い頃から親を恨んで生きてきて、簡単に語れるような人生ではなかっただろう…この立場になるまでにどんな苦い思いをしてきたか…
そこは描かれているわけではないが、お庚さんの表情や人となりで想像できる。
そしてお絹ちゃんもお庚さんも強い女性。
境遇は選べないけど、自分で人生の選択をして生きることができる女性。
偶然お庚さんの店で居合わせお絹が目にした、吉原から男と駆け落ちして捕まった女の子は、何度か映るがお絹と対照的なポジションなんだよな…お互いどのような感情で見つめ合っていたのか…華やかな着物で着飾る女性たちの世界の厳しい裏側を実感させてくれるシーンだった。

萬屋の主人、源兵衛さん(國村隼)は結構いろんな意味で重要な人物。
この人とのやりとりの中で格之進の人物像もわかってくる。
そしてめちゃくちゃ格之進の影響を受ける人で憎めない。愛おしみさえ感じる。
心の底から囲碁が好きなんだろうな。

殺陣のシーンは怖かった。
緊迫感がすごい。
斎藤工演じる柴田がとにかく、
わかりやすく"悪"として描かれているので
本当に怖い。
迷いなく斬ろうとしてくる…
妬みであんなことをする柴田もさいごは武士道を貫きたかったと…
頼まれなかったら格之進はどうしていたんだろう?
格之進が本懐を遂げる瞬間
インパクトありすぎて
その後もう一度ハラハラするシーンで
しっかり観ないともったいない…のと、目を覆ってしまいたいのせめぎ合い。
…ビクッとなってしまった。

格之進は本当に一貫性がありすぎる人物だな
自分に湧いた感情にも正直でありたいんだな
本人も周りも面倒だとは思うんだけど
それが柳田格之進…ってことなのか
周りの人は変わってゆくけど
格之進だけは変わらないよね

左門と長兵衛さんの存在は心強くて絶望せずにすむ安心材料になったし、萬屋の番頭徳次郎さんは和ませてくれた。

少し気になったのは、
父への嫌疑で相当怒っていたのに、結局は結ばれることとなった経緯が知りたい。
ただ、あの件は本当に弥吉だけのせいじゃなかったよ…ひとりで背負わないで…


あと、鑑賞中に音楽いいなぁと思っていて、そしたらSpotifyにサントラがあり帰宅後に聴きました♪


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最初に格之進はつよぽんみがないと書いたのは、幸せなことに上映後舞台挨拶付きの回で鑑賞できたのですが、出てきてくれたつよぽんが"つよぽん"すぎて笑
全く格之進みがなくてギャップが凄かったです笑
終始喋り倒してくれるので、終始笑いっぱなしでした!幸せな時間でした♡
miwa

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