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碁盤斬りのpapandaのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.3
最近この映画のもとになる落語「柳田格之進」を、さん喬師匠と一之輔師匠とで聞く機会があった。印象が真逆と言っていいほど違うのに驚いた。この噺本来のビターエンドと現代的にアレンジしたハッピーエンド。ある人物の行動をどう解釈するか、その違いによって落ちも微妙に違っていた。噺家の解釈、工夫、演じ方でいく通りにも変えられる日本の話芸って本当に素晴らしいと思った。そしてこの映画ではどうなるかが楽しみだったが、なるほどそう来たか、流れに無理のない絶妙なアレンジだった。
清廉潔白は素晴らしいことだが、周囲の人たちへの気配りや思いやりが欠けると身勝手になってしまう。正々堂々、公明正大に生きるとは、独りよがりであってはならないと感じた。
風鈴、蚊遣、月見、年越しの行事など、江戸の情緒や夜の暗さなどがきちんと表現されていた。こういう本格的な時代劇は日本の文化としてしっかり残し伝えていってもらいたい。
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