ながの

碁盤斬りのながののレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.0
白石監督による本格時代劇。
江戸の長屋で貧乏暮らしをしている訳あり浪人親子。その浪人がどケチと呼ばれる商人と出会ったことから始まるストーリー。

ザ・時代劇という感じ。
人情と復讐──やっぱり時代劇はこうでないとね!! と思わされる。
映画としては白石監督作品だけあって、無茶苦茶テンポがよくて観やすい。映画の見せ方を知ってるなぁと改めて思わされた。

ただ、ストーリー面はそこそこ引っかかる。
こういう人間だからこその話ではあるのだけれど、主人公の柳田に感情移入がし難い。
極端すぎて切腹やら娘を売るくだりで醒めてしまった。
そこまではええなぁ、こうでないとなぁ、最高の時代劇だなぁ……という感じだったのに、はぇええ!? と、いきなり現実に引き戻された感。
敵役もわりと唐突な出現ではあるので、もう少し因縁深くして欲しかった感もあり。

ラストの予定調和感も。
きっとこうなるんだろうな……あ、なった!
という感覚。
その辺の意外性が欲しかったかも。
まぁ時代劇は予定調和の方がいいっちゃいいんだけど、流石にもう少し緊迫感が欲しかったかな。

それでも総じて出来がいい時代劇ではあるので、興味がある人は映画館で観るべきな気がする。

エッチなシーンは無し。

2024年98本目

2024年劇場20本目
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