ビンさん

ヴァチカンのエクソシストのビンさんのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.8
TOHOシネマズ橿原にて鑑賞。

ばかちんのエクソシストか、エクソシストのばかちんか、なんて聖職者を揶揄するようなこたぁ書きません(書いてるやん)。

忘れた頃にやってくる、悪魔祓い映画の最新作。
主役のモデルは、実在したエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父だというので、映画もいわゆるドキュメンタリー・タッチかな、と思ったらバリバリのホラーエンターテイメントの快作に仕上がっていた。

1987年のスペインのとある古き修道院。
そこをアメリカ人母子が訪れる。
自動車事故で主を亡くすも、その修道院が夫の遺産だったのだ。
が、訪れた途端、息子ヘンリーの様子が豹変する。

そこで呼ばれたのが悪魔祓い師として実力のあった、バチカンのアモルト神父(ラッセル・クロウ)だった。
教皇(フランコ・ネロ)の要請でスペインへ赴くアモルト神父。
だが、ヘンリーに取り憑いた悪魔は、彼の想像を超える強力で凶悪なものだった。

先にも書いたが、実在したアモルト神父が主人公というので、映画は実録物みたいな内容かと思っていたし、劇中でも悪魔が憑依した事例について、そのほとんどが精神的なことが原因だと語るシーンがある。
だが実際は、それこそ『エクソシスト』を彷彿とさせる、神父と悪魔の対決を描いたホラーエンターテイメントな内容だった。

舞台となるスペインの古き修道院に隠された謎と、ヘンリーに取り憑いた悪魔の正体が明かされていく展開が、ミステリーの要素もあって、思わず見入ってしまう。
また、ラッセル・クロウ演じるアモルト神父のキャラが、大事な時にウイスキーをかっ食らう、時折ジョークを放つ、そもそも修道院へスクーターに乗って登場するという、かなり人間臭い描写で描かれていたり、もともとスペイン現地の若き神父エスキベル(ダニエル・ゾヴァット)とのバディ・ムービー的な面白さもあって、思わぬ拾い物をしたなぁ、という印象を持つ快作だった。
(エンドクレジットの最後に掲げられた、実際のアモルト神父の写真に、その人となりがよくわかるようになっている(笑))

監督したジュリアス・エイヴァリーはオーストラリアの人。
ラッセル・クロウもオーストラリア出身なので、何らかのつながりがあるのかもしれない。
ビンさん

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