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ヴァチカンのエクソシストのワンコのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0
【ループ】

世界最古の宗教は、ゾロアスター教と歴史で習ったけれども、その大きな特徴は善悪二元論と終末思想だ。

これは、ユダヤ教やキリスト教に受け継がれているし、イスラム教にも影響を与えているように思う。

この作品は、タイトルがタイトルだけにあの映画「エクソシスト」を彷彿とさせるが、実は、いわゆる「悪」や「悪魔」とは何かというところに突っ込んで考えさせるなかなか興味深い内容だった。

(以下ネタバレ)

結局、悪は、教会による謂れのない異端審問や処刑、或いは、性的虐待や隠蔽ということなのだけれども、これによる怨念が悪魔ということになるんだと思うが、この作品が実在していたエクソシストの書き残したものが原案だとしたら、やっぱり考えさせられる。

とどのつまり、悪魔は歪んだ信仰や、宗教の権威がもたらしたものなのだ。

冒頭に、聖ミカエルはなぜサタンを葬らなかったのかとの問答があるが、もしかしたら、正確な回答は、信仰に導き広げるためには、畏れがどうしても必要だから、あえて葬らなかったということかもしれない。

ループだ。

なんだかんだで考えさせられる。
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