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ヴァチカンのエクソシストのSQURのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

変にひねりを入れず、真っ向からエクソシストものの面白さを追求した映画になっている。そうした姿勢によって、雑にホラーを意識した演出の映画よりも、かえって恐ろしい「悪魔」になっている。
怖いところはしっかり怖く、哀しいところはしっかり哀しく、盛り上がるところはしっかり盛り上がるエンターテインメント作品だった。
地下の描写も良かった。登場時間としてはあまり長くはないものの、セットの作りがよいのか、とても重厚感のある雰囲気だった。インディ・ジョーンズを思わせるような、古代の神秘に迫るワクワク感があった。

キリスト教の描写としては、"真相"の部分がやや気になる。キリスト教の歴史的暗部を悪魔のせいにしてしまうことや、母の愛が最も神の愛に近い、や、ラテン語にこそ真価があるといった保守的姿勢は、キリスト教に疎い私としてはやや引っかかるところだった。これらの描写は、実際のところ、宗教上どのような意味を持つのだろうか?

専門であろうとなかろうと「絶対救う」という決意が大切だというくだりは、個人的な背景も重なって、とても強く胸をうった。『怪物』にも通じる。
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