けーはち

ヴァチカンのエクソシストのけーはちのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.0
ゴツいラッセル・クロウがVespaのスクーターに乗る、愛嬌のある構図が話題で妙に人気が出て「ヴァチクソ」の愛称で親しまれることになる珍作オカルトホラー映画(法衣姿で単車に乗る坊主、日本人なら既視感)。巨漢のパワー系エクソシストに、若く頼りないが肝心な所でポテンシャルを発揮する相方のバディ関係、枢機卿や教皇ら気品と人間臭さを両立するチャーミングな神父たち、教会や修道院の荘厳さに対し適度に暴力的で明解な怪異と退魔の方法、人間の闇や宗教の暗部と対峙するテーマが底流にありつつも怖くも暗くもないキャッチーな退魔バトル中心の作風。取り憑く悪魔の名を知り情報を得れば弱る、悪魔は心の弱みを突くので過去の後悔があれば懺悔を済ませておく、といった対オカルト用に構築した理論武装で戦うのは「陰陽師」など東洋的な妖怪退治に似た味わい。元祖「エクソシスト」のオマージュもあり娯楽ホラーとして完成度高し。