りょう

ヴァチカンのエクソシストのりょうのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.4
 実話をベースに脚色されているようですが、にわかには信じがたい壮絶な展開です。悪魔祓いは映画のテーマとしてありがちですが、かなりエンタメの要素が強調されて、ホラーよりもオカルトミステリーの雰囲気です。悪魔の憑依なんて、98%は精神疾患が原因という序盤のくだりは、物語を暴走させないために効果的でした。
 冒頭からアモルト神父の存在感だけで展開していく物語でしたが、地元のトマース神父やアメリカの母子家族の3人の過去なども丁寧に描かれていれば、もっと説得力があったはずです。前半のテンポが高速すぎて、そのあたりを端折っているのはもったいないです。
 ヘンリーの部屋に19世紀ころのような家族写真が飾ってあって、妙に意味ありげでしたが…。彼を演じた子役さんは特殊メイクやCGの効果もあったと思いますが、あの邪悪な表情には迫力がありました。
 こんな悪魔の棲みかが世界中に199か所も残っているそうで、それをアモルト神父とトマース神父が退治してくなんて、カトリック教会も無茶なことを…と思いますが、それってシリーズ化の伏線だったのでしょうか。
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