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逃げきれた夢のkazuoのレビュー・感想・評価

逃げきれた夢(2023年製作の映画)
4.3
忘れてしまう症状が出た事によって、自分の人生を見つめ直す主人公の数日間を描いた作品。主人公の役柄は定時制高校の教頭。

リアリティ溢れる描写だが状況を明確にしない事で、観る者の人生や経験が物語に色を付ける。

定食屋での座る位置、妻や娘に対するコミュニケーション、友人との楽しい飲みの席とその印象を一変させる友人の帰り道での一言…

これらは"今"私達が観ている主人公が以前の彼と違う事を示唆するシーン、シークエンス。
これは病気の影響か、或いは病気により色々考えた末の意識の変化なのか…

上映後のトークイベントで監督はこの作品に対して「確定させたくない」と語っていた。だから答えは観た者が思った通り。

静かな映画だけど印象に残るシーン、シークエンスがたくさんあり、特に終盤の喫茶店でのシークエンスとラストの無言の間は強く印象に残る。

光石研に対し当て書きした脚本だけあって彼の演技がとても光っているのはもちろん、松重豊も凄い良かったなーだし、吉本美憂(名前の漢字がメランコリックなの凄い💦)の存在感&緊張感も凄かった!

最後に、上映後のトークイベントで私の稚拙な質問に一生懸命答えてくださった二ノ宮監督、ありがとうございました🙇🏻
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