アメリカの大学生をインテリぶった愚民のように見下す、そもそもハリウッドへの反骨精神の塊であるゴダールは質問に対して悉く否定から入り、本質に触れることすらなく論点を巧みにすり替え相手を困惑させてしまう。
ヴィヴァルディを「若さ」と捉える感性がフォーエヴァー・モーツァルトを生んだのか。
答弁が噛み合っていないのも言語的な弊害ではないと思うが、嘘だとしても殺人を「観念的」とか、革命の為の暴力を支持するかという質問に対して「フランスでは必要とされないが然るべき国では行使されるだろう」と答える様子にはゴダールの政治系統を決定づけるような事件を予告している。
構造も従来の白黒ドキュメンタリーを小馬鹿にするような作り込み具合だったのでゴダールだなと思ったが制作には関わってなかったのか。