MURANO

法廷遊戯のMURANOのレビュー・感想・評価

法廷遊戯(2023年製作の映画)
3.5
永瀬廉が主演ということもあり、若年層向けに法律をテーマにした作品を手軽にという方向性だと感じました。

上映時間が97分と、内容を考えるとかなりコンパクトなのも手軽さ狙ってのものでしょう。

永瀬廉、杉咲花、北村匠海と、メインの役どころの3名はそれぞれの役割を全うしており、演技の強弱が印象的だった杉咲花は巧さが光ってました。

原作は弁護士が書かれた小説ということで、法律の矛盾を追求している設定が興味深い。法律をちゃんと絡めた練った設定を、わかりやすい裁判展開に落とし込んでいました。

ただ、どうしても気になってしまったのが、3人の登場人物の背景描写ですよね。

3人の感情や思惑に過去の出来事や関係性が大きく関わる内容ながら、その部分は最低限の「説明」に留まってしまった印象が強い。

それぞれ、深い感情の闇を抱え、考え続け悩み続けたはずなのですが、そこの奥底まで描写して観客に訴えたかというと、さすがに97分ではそうはならないんですよね。

人物の背景描写にもっと深みが出せれば、人間ドラマとしてももう一歩上に行けたのかなとは思いました。

まぁ、それによって内容が重くなり過ぎることを、ターゲット層考えて避けたのかもしれないですけどね(^^;
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