如月カルラ

法廷遊戯の如月カルラのレビュー・感想・評価

法廷遊戯(2023年製作の映画)
3.7
法律家を目指し法科大学院に通う主人公、その同級生2名を中心にした事件と過去を紐解いていく映画。

大学院内では裁判を模した「無辜ゲーム」なるものが開催されている。
内容は「スマホを壊した犯人」というものもあれば、「主人公の過去をばらした人物」というものもあり、法科大学院という場所が舞台なだけあって、しっかりと証拠や証人を用意するなど、模擬裁判とはいえしっかりしたもの。
先に書いた主人公の過去をきっかけとして、ある事件が発生してしまう。
その犯人として捕まった同級生は無罪なのか有罪なのか。

まず同級生であり被害者でもある馨の仕込みがすごい。
先を読む1手を張り巡らせて、最終的には主人公の裁量に任せるというのは、主人公とすごし切磋琢磨した日々や信頼関係もあってなのだろうと思う。
真実を明らかにしたい=罪を裁きたい、とも言い切れない複雑な心境が見えるようだった。

犯人として捕まった同級生と主人公の過去の繋がりは多分傷のようなもので、依存にも近しい状態だったと思う。
その部分を杉咲花さんが激しい演技で表現していて、鮮烈だった。
別で見た「市子」の女優さんだと知って、納得。人間の感情の機微を表現するのが上手い女優さんだと思う。

結末は予想ができるものの、それぞれの思惑、想い、真実がしっかりと収束していくので面白かった。
如月カルラ

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