日本の司法の矛盾や冤罪について考えさせられる面白い内容だっただけにいろいろもったいない映画でした。特に「目には目を」の理論はたしかに乱暴ではあるけれどちょっと納得してしまった。原作は未読なのでどこまで原作に忠実なのかはわからないけれどもっと面白くなるはずの映画だと思った。
この映画の惜しいところはキャストにつきる。たしかにいま旬のアイドルを起用すればある程度ファンが観に来るので集客は見込めるだろうが派手なアクションや漫画的な恋愛ものと違い地味ながら演技力が求められる役には実力不足が露見してしまった感は否めない。特に共演者に杉咲花のような演技派女優を配したため余計差が目立ってしまった。これは本人も可哀そうだと思ってしまった。これから場数を踏んでいけば演技力も向上するかもしれないが現時点では役不足だったと思う。むしろ序盤の戸塚純貴はチャラ男役からこういった嫌味な役までこなせるマルチプレイヤーぶりを発揮していてかなり印象的だった。
結局この映画は杉咲花がすべてもっていった映画でした。