広島カップ

バンクシー 抗うものたちのアート革命の広島カップのレビュー・感想・評価

3.5
名前と絵は知っていましたが、どこの出身か?何歳か?など彼の人となりについては知らなかった画家バンクシーについて本作でお勉強です。

いつの間にやら誰かによってストリートの壁に描かれた絵。グラフィティと呼ばれるそのストリートアートの流れの中から90年代に登場して来た彼は、覆面画家であることもあり、しかも人のいない夜中にコッソリと製作し、朝起きて見たらいきなり絵がオラが街の壁にっ!!という独特の作品製作過程のせいもあって非常にミステリアスな人物。
サム・ライミ監督作品『ダークマン』(1990)の公開時キャッチコピーは「ダークマンは誰だ?」でしたが正に彼も「バンクシーって誰だ?」というコピーが似合う。

作品を見ているとアーチストとしての彼の特徴に関して様々な言葉が浮かんで来ます。
匿名的、大衆的、即興的、反体制的、明確なメッセージ性、等々。

仮にネット上で同じようなことをやられると「薄っぺらいだろうなぁ」と思うのに対して、こちらは本当は犯罪なのに青空の下の壁の上に描かれた彼の絵からはそういう感じは全くせず、背中を押してしまいたくなるのは何故でしょうか?江戸時代に義賊といわれた鼠小僧次郎吉のような気もしてしまいます。

観終わって大分彼の全体像は見えてきましたが依然として不明なポイントも多く、彼に対する興味は増すばかりです。
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