ゴン吉

バンクシー 抗うものたちのアート革命のゴン吉のレビュー・感想・評価

3.9
正体不明の覆面アーティストとして知られるバンクシーを描いたドキュメンタリー作品。  

2018年10月に世界一のオークションハウス・サザビーズにおける覆面芸術家バンクシーの絵画「風船と少女」の競売シーンで始まる。
続いてストリートアートの歴史が解説される。
1970年代のニューヨークでは、壁などに文字や画などを描くグラフィティが流行る一方で、ヒップホップなどの音楽が台頭する。
これらの文化が英国の港湾都市プリストルに伝わり、バンクシーはこれを発展させて独自のアートを生み出していく。
しかしやがて英国ではこれらのアートを取り締まるアンダーソン作戦が実施され、多くのアーティストたちが活動を止めるが、バンクシーはこの取締を切り抜けて頭角を表していく。
その後、短時間で作成できるステンシルが流行る一方で、パレスチナのガザ地区の壁にアートを描き、さらにはロンドンの自然史博物館やパリのルーブル美術館、ニューヨークの近代美術館などに無断で作品の展示をおこない脚光を浴びる。
ストリートカルチャーで始まったバンクシーのアート活動は、最近では展覧会が開かれて作品に高値がつくようになる。
本作冒頭の「風船と少女」は最終的には104万2千ポンドで落札されることになるが、落札直後に衝撃的な事件が起きる。その事件により、「風船と少女」の価値は2倍以上に跳ね上がる。
バンクシーのアートや思想を通して、ストリートカルチャーの歴史も学べるドキュメンタリー作品です。
全ての起源は芸術破壊!
果たして覆面アーティスト・バンクシーの正体は? 

2023.11 BSフジで鑑賞(サタデースペシャル・字幕) 
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