DTP屋の柴犬

アラーニェの虫籠 リファイン版のDTP屋の柴犬のレビュー・感想・評価

2.0
まずはじめに点数が低い理由としては
・考察が必須である作品だが監督としての正解はあって、そのヒントを公式サイトでプロデューサーが書いていること。そこが蛇足であり想像力が狭められてしまっている点が非常に惜しい。
・意味を理解するのに頭の整理が必要で観終わった時に全てのシーンを隅々まで記憶した上で考察を読むのを前提にしていること。
どちらも映画の楽しみ方が作る側主体なのは良いとしても…視聴者に対して求めすぎではないだろうか。

監督の個人長編作品として、1人の監督がそのほとんどを手懸けたという点においては凄まじい信念と努力が必要だったのだろうと思うものの1度鑑賞しただけでは伝えられない部分も多く、複雑な設定の多くは描写しきれないというのが不気味さと最後のシーンに大きなインパクトを与える事に役立っているのだと思う。ただ、その複雑怪奇さが最後のシーンの為にあったが故に視聴者が途中から置いてけぼりになってしまう。

乗せられたアトラクションにただ揺さぶられているかのような状態で加速していって最後の最後に急停止して、「お疲れ様でした。どうぞ焦らずに適当に解釈せず考察を聞いてください。」という印象も同時に抱いてしまった。ぜひとも公式サイトのプロデューサー解説ページも一緒に読んで楽しんで欲しい。