や

almost peopleのやのネタバレレビュー・内容・結末

almost people(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

不思議な映画だった………

エピソードごとにメインも監督も違うのがより、人生の「それぞれ」さがあって良かったです。
次女以外、欠落している感情1つどころじゃなく無いか……?と思ったりもしましたが、感情ってそもそも切り分けて整頓できるものでもないので、どれかが全くないということは近似している全てが落っこちるのもおかしくないなと納得。そして長男長女はコミュニケーションに難がありすぎるのでは……となりましたがこれは失った感情の所為なのか元の性格なのか……

長女が過激な界隈でモテモテ(というか神格化というか……)になるのも、空っぽ感というか、底知れなさが隙だったり魅力に映るからなのかなと思ったりして気づいたのですが、
欠落って人間的魅力に繋がるものですよね……
長女は極端な例としても、他3人も、生きるのが大変そうながら孤独ではなくて、周りに誰かがいる。次男次女に至っては明確に人生のパートナー(予定)も獲得している。

最後のシーン、それまでのアクの強い(特に長女)エピソードたちを背景に持った4人とは思えないくらいに何気なく、穏やかな、「ありふれた普通の」家族でしかなく、尚更人間とは……となるとても良いラストだったと思います。

4人はかなり特異例ではあるけれど、
完璧な人間などおらず、皆ほとんど人間、とうすぐ人間なんだなあ、というメッセージを伝えてくれた映画なのかなと思いました。

個人的に1番好きだったエピソードは次男です。皆チャーミングでクスッと笑えて、でも切ないという塩梅がかなり好み。
どうにもならないよね、それでも寄り添っていこうね、という終わり方がとても良かった。
や