ハル

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいくのハルのレビュー・感想・評価

3.8
こんなにもストレートで直球でスタンダードなラブストーリーは久々。
恥ずかしくなってしまうほどにピュア。
真っ直ぐにぶつかり、惹かれ合う二人の物語は『俺、お前の事が大嫌い』の言葉から紡がれていく。

自分にまとわりついた固定観念をぶち壊してくれる存在に惹かれてしまう経験ってあるよね?
ムカつくんだけど何故か気になってしまう人。
それが茜にとっての青磁。
相手に対して少なからず尊敬の念があるからこそ、心は動く。
他人から作られたイメージに苦しむ茜の気持ちは彼によって救われる。
障壁をどんどんぶち壊し、暗闇から連れ出してくれる光。
でもそれは…青磁にとっての茜も同様。
共鳴し合う二人はいがみ合いながらも、求めあい、繋がっていく。

とにかく美しい作品だった。
風景や二人のビジュアル、青磁の絵。
何もかもが透き通っていて綺麗。
実はキャストを誰も知らず、思いつきの鑑賞だったのだが…いや〜良かったね。
主演の二人が眩しいくらいに輝いている。
青磁を演じた白岩瑠姫はどことなく『佐藤健』を彷彿させるフラットでクールな芝居。
冷たいようでいて、実は熱いものを心に秘めた青年を好演。

一方、学校でも家でも優等生を演じることに疲れ果てた茜を久間田琳加。
外から見える姿と自分の思い描く姿のギャップで苦しみながらも何とか前を向こうとしている彼女は儚げだった。
良い子を続けるのは簡単じゃない。
ちなみにマスク無しでも普通に可愛いけど、マスクしている時の彼女はさらによく見えてしまったのは僕だけかな?

なお、こちらも『Gメン』同様、アイドルバイアスありきと揶揄されているようだけど…僕は普通に良い作品だと思ったよ。
最近はひねりをきかせたり、タイムリープを織り込んだりの恋愛ドラマが多く、シンプルなラブストーリーは希少種になってきているし、新鮮で良かった。
主演の二人はこれからどんどん世に名が出ていく存在だろうし、何事も自分の目で見て、良し悪しを判断するのが大切だと思います。

最後に一言、メインの二人の名前は検索しないと読み方に確信が持てなかったです…
ハル

ハル