木野

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーの木野のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

うわぁ好きだわ……

この降霊術は一種のドラッグのメタファーではないか?って批評がされてるんだけど、マジでその通りだと思う。
日本にいたらピンとこない感覚かもしれないけど、実際に日常生活に娯楽があふれている街なんか世界にひと握りしか実はなくて。じゃあ学生は、若者は、代替として友だちを集めてパーティーをやる。そしてそのパーティーで友だちとやる酒やVAPE、タバコ、ウィードを入口として薬物に手を出し、そして中毒に陥った結果どうにも後にひけなくなり、最悪の場合人生が崩壊するどころからめちゃくちゃに苦しんでから死に至る。そんな「未成年含めた」若者たちとそれを取り巻く状況について結構な議論が繰り広げられているのが現状。
ホラーでありながらアデレードの郊外を舞台に、オーストラリア内外の子どもたちをとりまくドラッグやメンタルの問題に鋭く、意外な切り口から切り込んだ興味深い作品かなと思う。

あとは最近テッパンの身近な人の死と子どもがどう向き合うかってテーマね……パーティーでサブスタンスに手を出すかは割とこういうことと切っても切り離せない関係にあるとされている(のでカウンセリング前の事前チェックなどでも「身近な人の死から目を背けるためにアルコールや薬物等のサブスタンスを使うか」等の質問をするクリニックかあったりする)ので、意外と憑依系ホラーとの相性がいいのね。私はかなり好き。
木野

木野