うらぬす

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのうらぬすのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

敢えて危険な行為をし、その危険に自ら対処することで得られる快感に中毒性があることを認めるのも吝かでない。だから降霊術にハマってドンチャン騒ぎをする若者の姿に、最初は違和感を覚えたものの、かなり有り得そうな描写かもしれないと思い直した(霊が本当に存在するのだとしたら)。問題は霊のもたらす危険に対処する術などないのに、対処できると思い込んでいることだけど。
そういう若者の向こう見ずな性質が招く本作の惨劇の演出は、最近のホラー映画の中でも屈指の気味悪さと外連味に満ちていて、スピーディーな展開とあわせて最初から最後まで観客に息をつく暇も与えない。ハリウッドのホラーにたまにある製作費に物言わせた趣もなく、かと言ってチープな印象も全くなく、監督の閃きと才気の迸りを感じる。続編も楽しみだけど、また全然違う作品も観てみたい。