Kapporiya49

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのKapporiya49のレビュー・感想・評価

4.2
オーストラリア映画でありながらA24配給で、ホラー映画史上最高興収と聞いて期待していた作品。
結果としては面白かったが、面白さの方向性が思ってたのとは違った。

その「手」を握って Talk to me と言えば霊が見える、さらに Let you in と言えば霊が自分の身体に入りキモティー!となってしまうというドラッグ的な設定。この100%再現可能な霊体験という設定は、意外に新しいかもしれない。
しかし、見えた時点で霊がキモ過ぎて Let you in なんて言う気になれるか!とツッコミたくもなるのだが (笑)。

この辺りは予告編の印象どおり。

ホラー強者の人ならもっともっとキモく怖く出来るのにもったいない!と言いそうなほど、本作のホラー表現はアッサリしている。
その代わりに編集のテンポはめっちゃいい。

そして更にその代わりに、良い子なようでいて自己チューかつ承認欲求に駆られて暴走する信用できない主人公の視点にフォーカスされることで、本来しなくてもよかった体験に誘われる不快感こそが本作の魅力。

「私に話しかけて」というタイトルが巧妙に利いている。

主人公ミアが登場してからいくつかのシークエンスで、周りの人々が彼女をウザがっている又は関心を寄せていないことが分かり、彼女に積極的に話しかけてくるのはその後とんでもない目に合う中学生のライリーくんと嫌っている父親だけ。
そんな中、亡くなった大好きな母親の霊が話しかけてくれたら、そりゃ暴走するわな。

本作を観たあとに双子の兄弟だという監督のYouTubeチャンネルRackaRackaの人気動画を見てみたが、ロナルドマクドナルドがバーガーキングに喧嘩を売りに行くとかアホすぎて、動画を先に見てたら映画は観なかったかもしれない (笑)。
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