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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのTSのレビュー・感想・評価

2.8
【霊界の入り口】64点
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監督:ダニー・フィリッポウ/マイケル・フィリッポウ
製作国:オーストラリア
ジャンル:ホラー
収録時間:95分
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 2023年劇場鑑賞50本目。
 またまたA24の最高ホラーとかいう宣伝文句があるからどんなものかと思いみてみたら。。ここのスタジオ作品でのマイワースト作品としては『ミッドサマー』があるため、それを超えてくることはまずありませんが、今作が最高収入を記録、となると首を傾げてしまいます。イマイチ怖くないし、なんと言っても後述しますが主人公ミアに全く感情移入できません。結局のところ、主人公に感情移入できない作品は、余程のカラクリがない限り個人的には良作となりえません。そりゃあ、彼女を擁護する意見も考えれるのですが、苛々して仕方ない。そこが一番の問題点でしたかね。

 母を亡くしたミアは酷く落ち込んでいた。そんな中、死んだ者と話が出来、かつ自分に憑依するという禁断の行為を知り、仲間と悪ふざけでやるのだが。。

 SNSで話題の、というのも今風ですし、不幸の手紙やらこっくりさんやら、こういうオカルト系モノというのは時代を問わずティーンエージャーに人気となります。誰がどう見てもろくでもないことになりそうなのに、皆その行為を止めようとせず、笑いながら動画を撮り、それをSNSに投稿します。胸糞悪いこの上なく、残念ながらこいつらどうにかなってくれ、と思ってしまうのが普通ではないでしょうか。というか、こんなものは都市伝説で終わるようなものなので、体験者が豹変した段階で本当にやばいことをしてると自覚して即中断すべきであるし、実際の世界ならこの段階で怖すぎてやめるはず。そこをやめないのがやや違和感ありでした。
 案の定、意味深な90秒憑依ルールをいとも簡単に破ってしまい、惨劇が始まってしまうのですが、そのゴングを鳴らしたのが主人公のミアですから頭を抱えてしまいます。確かにミアは母を失い、誰かと話をしたかった。一人になりたくなかった。その気持ちはわからなくもないです。ただ、そのミアの想いが強すぎて、結局まわりの者達が被害を被っていきます。そこが個人的には凄まじくノイズとなり、最後まで何をしてるんだこいつは、としてしか見れませんでした。

 今作でいちばん怖い描写は自傷行為のシーンでしょう。これは確かに『ヘレディタリー』でも確認できる要素なので、A24の強みなのかもしれません。ただ、そこが頂点であり、ミアの身勝手な行動が全てを複雑にしてるということは許されるものではなく、結果的にはかなり消化不良の感じがしました。ラストのあたりはうまいと思いましたが、世間の評価ほど良くはないなと個人的には感じました。
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