メッチ

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのメッチのレビュー・感想・評価

3.9
憑霊術による快楽。そして、過去に囚われ過ぎた者の末路とは?

本当に低予算で制作されたのか?見せ方や作り方に工夫が感じられます。ほとんどのシーンが屋内で撮影されていたので、そこまでコストがかけられない中で作成されたのかのようにも感じられましたが、登場人物たちの憑依されている時のメイクや霊たちの特殊メイクからはそうは感じさせないものがありました。

しかし、中盤からこの間みた『エクソシスト 信じる者』と重なってみえてしまうシーンがあるため、惜しいなと思ってしまったのは否めません。憑霊術もののホラーのため、そうなるであろうとは思って鑑賞しましたが…。
公開タイミングが近かったために起こることですが、先に公開されたビッグタイトル作と比べられるため、ちょっと公開タイミングをもう少しズレらしていたら印象は違ってきたかもしれません。「悪魔の憑依」と「霊の憑依」とでは、似たようにみえてしまう。これは、個人的な見解ではありますがね。

ただ本作では、登場人物たちの憑霊術の時の快感を覚えている様とドラッグの使用時のトリップしている様が重なってみえます。「快楽に溺れて己の身を滅ぼす」とでも言いたいかのように思えました。出だしなんかが、そんな印象が強かったかもしれません。ですが、後半からは母親を亡くした主人公が母親と繋がりたいがために憑霊術をしているところ。トリップのメタファーのようにも思えますが、私には過去に囚われ過ぎた者の末路のようにも思えました。
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