ミオチー

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのミオチーのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アホアホキッズ共がライトに呪物に手を出して痛い目見てガハハ!な話かと思って映画館まで来たんですけど……こんな……こんな悲しい過去を持つ女の子がそれゆえに周りを巻き込んで破滅していく話だなんて思ってなかったんですけど……!

特に上手いのがこの主人公のミア、現実では絶対に友達にしたくないタイプなのがキツくてすごい。寂しがりで他人との距離が上手く取れなくて友達が少ない。だからこそ自分が他者から注目を浴びれる憑依ゲームに夢中になってしまう。こういう子っているよね、ていう監督の声が聞こえてくるようや……上手く出来とるでこらあ……。

カンガルーもライリーも、おそらく父親も他者を徹底して他者を自分の意思で殺せないミアや、ラストには霊として手を握り返す側へとなったミアの立場の循環など、この映画の霊界のシステムは永劫回帰の無常観に成り立っているように思える。ミアが見せられたライリーが襲われているキリスト教の“いわゆる”地獄的なシーンはやはり霊が見せた幻覚で、本当はこの真っ暗で何も無い世界が霊たちの行き着く場所なんだと思うと早く転生したいぜ!と仏教徒の私なんかは思うのでした。

娯楽ないんだろうな。だから光に虫みたいにたかるんでしょう。そういう意味でこの映画の若者と霊の浅ましさは変わりないのかもしれない。みんなこんなことやらずにポケモンやろうよ。無理か。気持ちいいか、憑依のが。
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