Bitdemonz

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのBitdemonzのレビュー・感想・評価

3.8
降霊術を“パーティー感覚”に落とし込むというアプローチはとても新鮮であり、「やるな」と言われたのにやっちゃって酷い目に遭う、遭わせてしまう、この辺りの「認めたくない若さ故の過ち」的な“バツの悪さ”が随所に出てくる全体的な居心地の悪さは、幼き日の記憶のカサブタを剥がすようで、正直なところショックシーン(憑依シーンなども中々良いが)よりもクるものがあった。

“苦痛からの解放”に対する独善的な解決についての是非を考えさせられるテーマや(ちょっと上手く回収出来ているのか解らないが)、お世話になってる人にメチャメチャ迷惑を掛けた(でも、しょうがないじゃない?的な運び方は絶妙で良い)その後の気まずさ、なんなら他人の家来てタバコ吸うなと言われて投げ棄てたあとの火の始末まで含めて“色々”な角度からの“居心地が悪さ”があった(個人差ありです)。

後半、物語のエンジンがかかり始めた辺りからのテンポは良かったが、なんだかフワッとしたルール設定やキャラ設定も散見され、最終的な風呂敷のまとめ方はかなりのご都合よろしい感じもして、コチラもまた別の意味で居心地が悪いのは気になる。
ただ、オチの付け方は様式美のようなキマリ方で気持ち良い。



学生時代に校内で“おとす”という遊び(複数人で1人を壁に押して意識を失わせる的なヤツ)が流行り禁止令が出た事を思い出したのと、それをギャハハと笑い転げている同級生たちの“楽しんでいる理由”が全く理解出来なかった時に感じた疎外感…

そして、さらに幼い頃に公園の4人乗りブランコの下に入って寝そべり“スリルを味わう”というアホな遊びをして、1人がウッカリ膝を上げてしまって怪我してしまった時のバツの悪さ…

こうした色々なイヤ~な記憶の引き出しが次から次へと開く開く…。
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