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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのAZのレビュー・感想・評価

3.5
おしゃれな映画だが、物足りなさがある。意外性がもっと欲しかった。見せ方は面白くはあったが。

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設定は新鮮で、心霊現象をコンテンツとして消費する若者たちという現代的な姿。恐怖体験やその姿はSNSにおける承認欲求に使われている。心霊スポットに行くYoutuberも似たようなもの。自ら危険に身を捧げ、慣れていくうちにその行為が過激になっていく。

危険な行為や状態に危機感を持たずに楽しんでしまうという楽観的な思考。その後のことを考えず(想像できず)行動してしまう衝動的な若者たちの姿。ただ面白いものが見れたら良い、撮れたら良いという思考回路が今っぽい。

その結果がもたらすもの。

コンテンツを楽しむ側だった人間が、最終的にコンテンツとして消費されるという皮肉な結末は、現実でも起きていること。

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マンネリ化したもののいく末。ゾンビ映画ではすでにこういう表現はある。ゾンビを恐れの対象ではなく、娯楽の対象として扱ってしまうというもの。

人間は慣れる生き物。慣れがもたらす悲劇。悲劇が起きた時に、それが危険だったのだと思い出す。そんな現代の若者の姿を、印象的に仕上げた作品。

ただ、流れ的に結果は予想できてしまうもので、作品としては弱く感じてしまった。
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