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12日の殺人のganaiのネタバレレビュー・内容・結末

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

10月12日の深夜に友人宅から帰宅する途中、何者かに生きたまま放火された女子大生殺害事件の犯人を追う警察官たちを描いた映画。

捜査が進むに従って被害者と性的関係を持った男が次々と現れたり、事件そのもののあらましや舞台になったフランス地方都市の景観を含めてツインピークスを連想してしまった。

ただ本作は実際に起こった未解決事件を元にしているが、主題は犯人探しそのものではなく、捜査に関わる刑事たちの軋轢とそこに見え隠れするジェンダー間・世代間の断絶を描き出す事にあるようだ。

主人公の班長はシングルの一人暮らしであまり感情を露わにしないが、捜査メンバーは新米刑事を弄り倒し、被害者女性は蔑視され、班長の相棒は妻の不倫をきっかけとした家庭不破で心を拗らせ証人の女性に偽証を強要したり挙げ句の果てに男性容疑者に暴力を振るって捜査も暗礁に乗り上げてしまう。

話は終盤一気に3年が経過したところで女性判事のテコ入れが入り、班長の相棒と入れ替わりで編入された優秀な女性刑事も加わった事で開放的な雰囲気にガラリと変わる。

班長もサーキットをグルグル回るだけだった趣味のサイクリングを外乗りに変えたりなんだか楽しそうだぞ。

肝心の事件は未解決なままなんですけどね(笑)
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