ころん

12日の殺人のころんのネタバレレビュー・内容・結末

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

女子大生が焼死した事件。班長になったばかりのヨアンはこの事件を担当することになる。

被害者の親友である少女から友人関係を聞き、調査をすすめていくが有効な手がかりは見つからず。男性関係が奔放だったため自然と男性関係のトラブルなのではないと調査が進んでいく。そんな時に親友が言った一言、あの子が殺されたのは女の子だったからよ。

3年が経ち、犯人は見つからないままだったが判事からの連絡で再び調査が行われることに。相棒だった同僚は警察官を辞め、チームメンバーも変わっていた。

事件は未解決のままで終わるけど、後半で物語を動かすきっかけになる女性2人が印象に残る。特に違和感なく観ていたけど、確かに男性しか疑われていない。男性が犯罪を起こして男性が調査する。同性同士のトラブル、身体の関係があった男性を通じて女性が殺したかもしれないのに。女の子だから殺されたという言葉がここでいきてくる。

淡々と進むし全体的にドライな作風だったけど映像が好きな感じだった。憂いを感じさせるヨアンの佇まいも良い。警察官とはいえ人間、様々な事件を追っていくうちに感覚が麻痺してしまうこともあるだろし、そんな中でも忘れられない事件というのは誰しもあると作中でも言っていた。
趣味のサイクリングでトラックをぐるぐる走り続けてたヨアンが外に出て自然の中を走るシーンからは救いを感じられたことが観ている側にとっても救いだった。

個人的メモ
当事者である被害者が不在で、周囲の人達による仮定のみで進んでいく点が落下の解剖学を思い出させた。誰にも知られたくないであろう部分が暴かれてしまうというところも。
別れる決心の"あなたの未解決事件になりたい"のパワーワード感やべぇな。もはや呪いじゃん。
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