はつみ

山海経 霊獣図鑑のはつみのレビュー・感想・評価

山海経 霊獣図鑑(2022年製作の映画)
3.5
相変わらずポスターのビジュ最高だな。
本編は王道的展開の中に、中国らしいファンタジー舞台設定という組み合わせの面白さと、その設定の説得力を存分に発揮している3D CGアニメーションの質の高さ。
ただ、減点はないが加点も正直そこまでない感じ。
普通に面白かった以上の感想がなかなか見当たらない。

中国の地理書「山海経(せんがいきょう)」という妖怪図鑑(らしい)を基にした。
そこに描かれている妖怪達が多分劇中のありとあらゆる人ではない生き物として描写されているのであろう。

主人公への感情移入は割としにくかった。
どっちかというと弟弟子がよくて、まあそこの中国特有の師弟関係とで死の中の兄弟感は共感できた。
さらにそこに角竜の子供の話が入り混じる。

不治の病である『黒霊(こくれい)』の正体は、心の光を失うものへ現れる、心の病的なものというのも筋が通って良い。
大切な人を失った悲しみ、他者への劣等感や嫉妬の渦、生きる希望の喪失や絶望

現代の世界共通に訴えれるテーマ。

正直アニメーションの質の高さも相まって、ほんとディズニー・ピクサーに引けを取らないと思う。

ただ、そこまで加点が少ないのはなんでだろう。
テーマがかなり中国文化ということで、文化圏の違う人からはハードルが高い?
キャラクターの弱さはあると思う。

でも、とにかくクオリティは非常に高いので今後もどんどん良いアニメ映画を作っていってほしい。
それこそ、ディズニー・ピクサーと肩を並べて中国アニメ映画を世界中に知らしめてほしい。
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