2013年の着座以来、精力的に世界各地を巡ってきたローマ教皇フランシスコの姿に迫るドキュメンタリー。
前教皇ベネディクト16世の生前辞任に始まり、史上初のアメリカ大陸出身で史上初のイエズス会出身と異例尽くしの教皇。そしてこの方ほど、映画の題材となっているローマ教皇はいないのではないか。個人的には教皇フランシスコを題材にした作品を劇場鑑賞するのはこれで3作目。
ヨーロッパへの大量の難民流入問題、カトリック聖職者による性的虐待問題、イスラムやユダヤ教、東方正教会との対話、貧困問題、コロナ禍、そしてロシアによるウクライナ侵攻…と世界の数々の問題に対し、教皇は現地を訪れ、語る姿が映し出される。ナレーションもなく、全てフッテージ映像を繋いで構成されているので集中力が必要だが、教皇の語る言葉のひとつひとつがとても重く尊い。そしてカトリックのしてきた過去の過ちを認め謝罪する姿は、まさに“寛容”が求められる現代の指導者としての資質を示していた。
