みゆ

旅するローマ教皇のみゆのネタバレレビュー・内容・結末

旅するローマ教皇(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

266代目に就任して以来9年間で地球1周37回53か国を巡ったアルゼンチン生まれのローマ教皇の旅のドキュメンタリー映画。「教皇が来た!」の熱狂はそれぞれの旅それぞれの国でニュースとして消費されたのでしょうが、旅する側から見る"9年分のひとつらなり"としての旅には、何か圧倒されるものがありました。世界中の紛争地で人々に心を寄せ、被爆国日本で黙とうし、カトリック教会の性的虐待についての自分の発言を謝罪し、コロナ禍で旅そのものが難しくなり、またマスクを着けて旅に出て、そして語り、耳を傾け、祈り、祈り、祈り続ける。飽きちゃいそうだけど、彼が飽きていないのは、観ればわかる。そしてこれは旅するローマ教皇の映画であると同時に、紛争地・被災地・嘆きの地、"旅される"地球の映画でもある。監督は現代において最も遠回りにまっすぐな映画を作る一人、ジャンフランコ・ロージ。平和な毎日が訪れるといいなと思った。
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