もこ

旅するローマ教皇のもこのレビュー・感想・評価

旅するローマ教皇(2022年製作の映画)
3.5
教皇って日本で言う天皇のような存在、と言う認識でいいのかな。政治家や国王ではないから権力はないけど、多大なる影響力と発言に対する責任は何よりも重い。彼の後ろにいるのは22億人ともいわれるキリスト教徒で、教皇の一挙一動は常に注目されている。
バチカン公式(?)のアーカイブからの記録映画なのでナレーションや状況の説明などが一切なく、乏しい知識のみで挑んだが、世界には様々な人がいて、過去にはさまざまな問題があり今も根深く残っていることを思い知らされた。この世界にはSNSを判然と眺めるだけでは出会えない人々が生きており、その大勢の人々が教皇の手にキスをし涙を流している姿はなんとも不思議で、自分の世界がいかに狭いか思い知らされた。
各国の貧民地区、スラム街をトラックの上に手すりをつけただけの全方位ノーガードの状態で走り抜ける教皇の姿には驚いた。イスラム圏の国や内紛終わらぬ危険な国に赴く時も同様のノー装備で赴き、言葉を尽くす姿も。
戦争は常に不正から生まれる、と言う彼のメッセージには賛同しかない。プーチン聞いてる?
前教皇の時から炙り出された、聖職者による子供への虐待問題という大きな罪業は彼の代だけでは解決できないが、未来を作るのは子供達なのだから、キリスト教の代表としてこの問題になにかしらのカタをつけてくれることを祈る。
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