冒頭5秒、既に騙されている──
娘の連れ去り事件に隠された謎に迫る
刑事の運命を描くサスペンス・スリラー。
連れ去られた娘の父親をベン・アフレック(ダニー・ローク)、最強の“脳ハッカー”をウィリアム・フィクナー(デルレーン)、ダニーと協力をする女性をアリシー・ブラガ(ダイアナ・クルーズ)が演じている。また、原案から監督、編集に至るまでロバート・ロドリゲスが手掛けている。
構想20年、ロバート・ロドリゲスが仕掛ける多重構造のストーリーと世界観は我々の想像を遥かに超える展開が最後まで続いていく。最後の最後まで目が離せない。そして、最後の最後まで何が現実だったのかがわからない驚愕の世界だった。
今回の作品では強力な催眠術(脳ハッキング)を秘めた能力者の存在がキーワードとなっている。彼らが仕掛ける脳へのハッキングで見せつける、その世界観や表現は『インセプション』のようにも感じる。しかしそこはロドリゲス監督、一味も二味も違うテイストでまとめ上げられている。
ジャンル的にはサスペンスとスリラー的な要素が色濃くなっているが、アクション映画としても完成度が高い。特に終盤の銃撃戦は『デスペラード』を感じさせる。アクション好きにもたまらない作品となっている。
個人的には同じ作品を短期間で繰り返し観たいと思うことは少ないが、今回の作品は「結末」を知った上でもう一度、伏線を追いながら観たいと感じた。見逃していた「ポイント」や「布石」を拾い集めていきたい。そう思わせる作品でもある。
完全に主観となってしまうが、今回の作品は「ロバート・ロドリゲス監督作品史上最高傑作」と言ってもいいだろう。
最後の最後までスクリーンを刮目せよ!
ホントにそのように思う作品だった。