のほほんさん

ドミノののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

ドミノ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

観賞後の気分がすこぶる良い。
やりよったなロドリゲス!
なんか監督のニンマリ顔が浮かんでくる感じ。


謎の多い展開で何が本当なのかわからなくなるにも関わらず、頭がこんがらがる訳でもないし無理なく謎解きに至る。これが94分にまとまっているのが素晴らしい。
そして「怪獣の卵残ってました」な終わり方もニンマリさせられる。


ヒプノティックでなくドミノが邦題になったのは、その方が日本人にも分かりやすいからなのかと思っていたが、実際にはヒプノティックよりもドミノの方がより本質に迫った言葉だった。



そしてなんつってもウィリアム·フィクナー(昔はフィッチナーと表記されとらんかった?)。相変わらずこの人のことはシャープ大佐と呼んでしまうのだが、この人が恐ろしい催眠能力を持つ謎の男として登場するのがまたニンマリ。本当に持ってそうだし。


そして彼を追うのがベン·アフレック。隕石に核爆弾仕掛けようとしていた2人が超能力追いかけっこするのがまた楽しい。


以下、展開のメモ書き。


とにかく強力な催眠パワーを持つ男がいて、娘を誘拐された刑事がそれを追う。
刑事は実は催眠が効かないタイプらしいので追うことができるのだが、しかし神出鬼没なシャープ大佐はどこへ行っても追いついてくる。


この逃亡劇の最中に、刑事は何故か催眠を防ぐばかりか相手を上回る力に目覚める。
どうもドミノ計画と呼ばれる超能力を利用しようとする機関が関連することが分かってくるのだが、どうも別れた妻が実はその機関の人間であったらしい。とか、刑事自身の記憶も怪しくなってくるなんていう「トータル·リコール」みたいになってくる。


しかし、逃亡を手伝ってくれた女性が実は刑事の本当の妻であることが分かってからは意外な方向へ。
なんと、刑事こそが娘をどこかへ隠した張本人で、それは親以上に強い力を持つ娘を兵器に育てようとする組織から守るためだった。
催眠の力で彼自身の記憶を封じ込めることで、組織が娘の居場所を知るのを防いでいた。
そのため組織は彼を刑事役として架空の舞台で動かすことで、彼の記憶から娘の居場所を見つけ出すシミュレーションを行っていたのだ。その様はまるで「トゥルーマン·ショー」の如し。


書割のセットで毎回演技する組織の人々の律儀さが良い。相棒ニックスさん始め、毎回撃たれて殺される役柄の人もいるのだから大変そう。メキシコのセットなんかは本当に使用したセットなんじゃなかろうか。

13回目のシミュレーションの最中に脱走。向かった先は娘を隠した彼の育ての親の元。
そこで成長した娘と再会。
そしてその場所こそが、組織を壊滅させる為に作り出された舞台でもあった。
まんまと誘い込まれた組織は同士討ちを始め、そしてこれまた記憶を封じ込められていた妻も全てを思い出す…。