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ドミノのGyGのレビュー・感想・評価

ドミノ(2023年製作の映画)
3.2
本作鑑賞後、国内外のレビューに目を通したところ、意外と低い評価が多くて、ちょっとビックリしました。

以下の点で見どころもある映画だと思うのですが。
・あるテーマ(本作では家族の再構築)が、謎解きと敵性組織との闘いという2つの軸と絡み合いながら展開する王道的活劇といえる
・特殊能力があるのは敵性組織のトップだけかと思われたが、次第にあんな人やこんな人にも備わっているのが分かったり、占い師と妻の関係が判明したりするあたりは訴求力十分な山場・見せ場になっている
・Hypnoticsというリアル能力と、意識下に重層化してひそむ記憶を他人が切り出しリアル化する能力を組み合わせたアイデアは新鮮!

低評価になりそうな要素は、劇中しばしばセリフによる事情説明があったり、ドンパチの描き方やハッピーエンドが旧ハリウッド的だったり..あと、そうそう映画のノリが分からないと腕組みして首かしげ固まる人も出そう、そんなあたりでしょうか。

ただ旧ハリウッド的な部分を弁護すると、ここは製作者の自虐的な意図が隠されているのかもしれません。
鑑賞前にポスターをみたところ、配給会社名に「ケチャップ」がついてまして、どんな料理にもケッチャプかけたがるアメリカ人気質や例の腐ったトマト案件も頭かすめたりするちょっと自虐的なネーミングだし、エンドロールではもっと自虐的名称のスタジオを使用しているし、なんか鬱屈してるなぁ、こいういうのが西ハリウッドの風土かなと勝手に想像。

あと、セリフによる事情説明ですが、これは経費節減かスケジュールの関係かもしれませんが、日本のアニメやバラエティーでよくやるお約束言葉「説明しよう!」を彷彿とさせてくれたので、個人的にはクスっときました。ポイントあげます。
※このポイントはほぼ富山敬・山寺宏一両氏にいきますが。

以上、雑多なこと書きましたが、面白い映画でした。
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