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ドミノのtanayukiのネタバレレビュー・内容・結末

ドミノ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原題「Hypnotic」にすべての答えがある。そう、これは催眠術の話なのだ。つまり、ロバート・ロドリゲス監督ら制作陣は観客に、いまから流れるのは催眠術の映像です、ということをあらかじめわかってもらったうえで、この映画を見てもらうつもりだったということだ。なぜそんなネタバレ的なタイトルをつけたのか。想像するに、催眠術だと知らないで見ると、頭が混乱して、観客がついてきてくれないのではないかと危惧したのかもしれない。あるいは、催眠術とわかってても見事にダマしてやるぞという自信のあらわれか。まさか、催眠術だから途中で眠くなっても許してね、というエクスキューズというわけではないだろう(笑

要は、催眠術師同士による能力者バトルなんだけど、テレパシーとか念動力、瞬間移動とは違って、嘘をホント、ホントを嘘だと信じ込ませる「化かし合い」の様相を呈することになるので、たしかに話の筋を追うハードルは高い。話についてきてくれなくて、ダマそうにもダマせない、というのが最悪のパターンで、それを避けたかったという気持ちもわからんでもない。けど、後半でけっこう丁寧にネタばらしをしてくれているので、たぶん、最後まで混乱したままという人は、そんなにいなかったんじゃないかな?

類まれなる才能をもった娘を、それを悪用しようとする悪い大人たちから守りたい、という親心はわかるんだけど、娘を隠すために自分と自分の妻に催眠術をかけて自分たちの記憶も消す、というのはちょっと思いつかなかったな。能力者にも序列があって、自分と妻ではディヴィジョンの連中に太刀打ちできないけど、2人の能力をかけ合わせた娘が大きくなればきっと……という計算はかなりリスキーじゃなかろうか。娘の能力がそこまで大きくなるというのは不確実な予測にすぎないし、自分でかけた催眠術を解除するためのキー「Find Lev Dellrayne」がレヴ・デルレーンという人物ではなく、「Deer valley Ln」という場所だと気づかなければ一巻の終わりで、娘とは二度と再会できない。

△2024/03/20 U-NEXTでレンタル鑑賞。スコア3.8
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