このレビューはネタバレを含みます
娘を誘拐された刑事の話。
序盤にある、催眠術を使った強盗は今までありそうでなかった手口で感心させられましたし、そこに娘の誘拐事件が絡んでくる展開にも興味をそそられました。
そこから、催眠術…と言うよりも、超能力サスペンスな逃亡劇を挟みつつ、終盤にどんでん返しが用意されていると。
全ては主人公の記憶を蘇らせる為の芝居だった事が明かされるわけですが、書割の様なセットで前半のシーンを演じ直すのは面白かったですね。
監督自身も「映画作りのメタファーだ」的な事を仰っていましたが、映画のリハーサルシーンを見ているかの様な、不思議な感覚を味わう事が出来ました。
あとは、劇団ディビジョンの皆さんの熱演も、個人的にはツボだったな~。
催眠術を研究する為に集められた人達なのに、一体どんな心境でモブ役を演じていたのでしょうか。笑
あのダサい赤色のジャケットも、彼らのマヌケさを強調している様に見えて、笑えるものがありました。
タイトルやポスターのイメージから、ゴリゴリの刑事アクションを想像していたのですが、実際は『インセプション』の様な作品で、肩透かしを食らう人もいるかもしれません。
ただ、90分という短さもあって、テンポが良く、ダレる部分が一つもないし、ロバート・ロドリゲスらしい分かり易いエンタメ性も担保されていて、これはこれで面白かったですよ。
傑作と言う程ではないにせよ、「良く出来たB級映画」という感じで、広く薄くに薦められる作品かなと。
短時間で軽く見れる映画をお探しの時には、ピッタシの作品でしょう。