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けんか空手 極真拳のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

けんか空手 極真拳(1975年製作の映画)
3.8
戦後初めての全日本空手道選手権大会が、日本洗武館館長の中曽根(成田三樹夫)の政治力によって京都で開催されることになった。試合当日、数十人の拳士の中にボロの空手着をまとった飛入り拳士・大山倍達(千葉真一)がいた。
決勝は洗武館の南部五段(石橋雅史)と大山との間で行なわれたが、大山が何なく南部を倒し空手日本一となった。
一方、空手日本一を奪われた洗武館の中曽根ら空手関係者は、大山空手を“邪道空手”“けんか空手”と非難を浴びせ、抹殺しようとした。
空手界から孤立した倍達だが一切動じず、さらに修業するためひたすら稽古にはげんだ。この倍達の態度にうたれた洗武館の有明正吾(千葉治郎)は倍達の門弟になることを決意した。
そんなある日、倍達は米兵にからまれている通訳の智八子(多岐川裕美)を救ったことから、彼女に想いを寄せるようになった。
数日後、ひょんな事から猛牛と対決した倍達のことが報道され話題となったため、激怒した中曽根らは倍達へのいやがらせをエスカレートさせる。このことで腹を立てた省吾は単身洗武館に乗り込み抗議するが、警察を利用した中曽根は省吾を正当防衛として射殺してしまった。省吾の死を耐えた倍達だが、ヤクザの仁科と喧嘩沙汰をおこして殺してしまった。正当防衛で釈放された倍達は、群馬にいる仁科の妻と子の世話を見るために、空手の道を捨てた。それから数年、倍達はその仁科母子のつぐないのために身を粉にして働いた。やがて、倍達の真心が通じたのか子供の雄一に再び空手の道に入るように進められるのだった。再び倍達が空手を始めたことを知った中曽根は、南部、大極拳の李東竜を引き連れて倍達に決闘を申し込んだ。“大山空手は後を見せない”。倍達は単身中曽根らの挑戦を受け、死闘の末、彼らを屈服させるのだった。
梶原一騎の「空手バカ一代」を映画化した第1作。
寸止めによる試合や稽古を前提とした伝統派空手が空手界を支配していた時代に、直接攻撃を前提とした稽古と試合をルールとした空手を広めるため、大山倍達が伝統派空手道場から送り込まれた刺客と戦いながら空手道を追求する修羅の道を、成田三樹夫演じる伝統派空手の総帥などの敵と繰り広げる極真空手をベースにしたリアルな空手アクションで壮絶なバトルと大山倍達が真の強さを追求する苦悩を中心に描かれていて、千葉真一のリアルな空手アクションを楽しめる空手アクション映画。
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