『山形県住みます芸人』として活動するお笑いコンビソラシドの本坊元児に密着したドキュメンタリー。
麒麟川島のラジオで何故か本坊の近況を報告するコーナーが毎週あり、それでなんとなく存在や活動内容を認識していた。あと水曜日のダウンタウンの「芸人が今までで一番面白かった瞬間は誰が見ても面白い説」で放送されたプールへの飛び込みの映像が記憶に残っていた。思い入れとしてはその程度だが最近ドキュメンタリー映画ブームが到来していたし、弊居住地松山市に本人が舞台挨拶に来るとのことだったので行ってみた。
吉本興業の『あなたの街に住みますプロジェクト』の一環で山形県に移住し、ご当地の仕事も増え始め順調に新たな活動の場を切り拓いていたところでコロナ禍に突入。仕事がなくなり農業を始め、悪戦苦闘しながらも次第に成長していく、そんな流れだった。
縁もゆかりもない地域で働くことのしんどさを何度も体感してきた（今もしている）自分としては、「脱東京」した部分に関する言及が少なく物足りなさを感じた。移住の孤独や理想とのギャップ、芸人としての苦悩や焦りみたいなシーンはほぼなく農業にフォーカスされた表層的でポップな内容で、面白かったものの、2時間YouTubeを観ていたような気分だった（大島新氏のドキュメンタリー映画を最近立て続けに観ていたので感覚が麻痺しているだけかも）。川島をはじめとする芸人仲間が本坊を引き上げようとする人柄はなんとなく伝わった。生本坊はスタイル良くてかっこよかったです。
