オクターヴ

窓ぎわのトットちゃんのオクターヴのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.3
小さな発見ですら大きな感動となる子供の世界というのは、ひたすら尊い。トットちゃんの感性を通して見せる景色は奇跡の時間であり、ピアノの演奏を聴きながら子供たちが床に絵を描くシーンが泣ける。些細な描写の積み重ねが我々の心にある鈴を鳴らす。おのおのの感情が爆発しそうになる場面でさえも演出上において大袈裟な表現の起伏を作らない。抑制という表現が正しいのかわからないが、みな耐え抜いて気丈に振る舞う…が、こちらが嗚咽しそうになる場面が突然くる。映画館が満席だと危ない。そんな映画である。