ねむろう

窓ぎわのトットちゃんのねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_250


きっと、約束だよ――


【簡単なあらすじ】
落ち着きがないことを理由に、小学校を退学になってしまったトットちゃん。新しく通うことになったトモエ学園の校長先生は、 出会ったばかりのトットちゃんに優しく語りかけた。
「君は、ほうとうは、いい子なんだよ。」
トットちゃんの元気いっぱい、すべてが初めてだらけの日々が始まるー



【ここがいいね!】
天真爛漫なトットちゃんがそこにいたような気がします。
トットちゃんを優しく受け入れるトモエ学園の先生や、小学生の仲間、そしてトットちゃんを支えるお母さん、お父さん、全ての登場人物が生き生きとしていて、語られることのすべてがキラキラと輝いていました。
そんな中で、私自身が大人になってきたというところもあるのでしょうし、基本的にはトットちゃん目線でこの作品が描かれているからというところもありますが、やはり全ては「子どもが笑顔でのびのびと生きられるような学校・社会・世界」を大人たちは作ろうとしていたのだなと思います。
子どもの頃には分からないような、ちょっとしたことが子どもの人生を変えることもある、ということを作品の中で小林校長先生をはじめとした大人たちに感じました。
さらに、作品の中では特に泰明ちゃんとトットちゃんとの関わりがフォーカスをされていましたが、天真爛漫に生きていられるということが幸せなんだ、というところからまた一つ何かを経験すること、何かを受け入れることも、生きる上では重要なのだということを描いた作品でもあるのかなと思います。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
後半の戦争に向かっていく流れから、かなり端折ってしまったところはあるのかなと感じました。
もちろん、学校での日常、大人・仲間との関わり、ということをそれまでの間でしっかりと描いていたので、大きな問題ではないところではありますが、そのあたりの描き込みも、もうちょっとあるとよかったのかなと思います。
その一方で、作品としては泰明ちゃんが亡くなってから戦争に突入していき、「泰明ちゃんの死」と「戦争」がクロスしていく流れではあったので、さらに重くなることを避けたのかなとも思います。



【ざっくり感想】
観る前から、「これは泣いちゃいそうだな」と思いましたが、やはり泣いちゃいました。
とにかく、純粋な美しいものを見るだけで涙が出てしまうというのは、それこそが私が大人になった証明なのかなと思いますし、その一方で、大人になっても「純粋なもの」はいつまでも素敵なものなのだ、ということを改めて思わせてくれるような作品でした。
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