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窓ぎわのトットちゃんのEDDIEのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
3.9
できなければ手を差し伸べて貰えばいいし、チャレンジすれば見える景色はこれまでに味わえなかったものになるだろう。自由な発想を大事にした教育が“やさしい”子どもを肯定する。否定されることほどブレーキになるものはないんだから。良作。

巷を騒がす評判の作品。その噂に違わぬ良作でした。
もちろん黒柳徹子の自伝的作品のアニメ映画化で、実話をもとにしているのでしょうけど、じゃあ彼らの全てに感情移入できるかというと難しいところもありました。
やはり境遇としては上流階級ということもあり、戦時下においても彼らはある意味選ばれ者ではあった点。
戦争が佳境に入ってくると、彼ら上流階級の人間ですらひもじい思いを味わうわけですが、それはもっと平民や貧困層だったらずっと味わってきたことだったりすると思うんです。

だけど、そんな色眼鏡を外したとしても、心を揺さぶるヒューマンドラマとしては素晴らしいと思いました。
トットちゃんの転校前の小学校での境遇や心境の変化の描き方、泰明ちゃんとの出会いや彼との関係性など、感動的な物語にするには十分すぎるぐらい条件が揃っていました。

ただ一つ自分が彼らの立場だったらということころで、あのプールの時間はちょっとイヤだなぁと感じました。今と時代が違うとはいえ、あの状態でプールの中に入るのは自分だったら躊躇っちゃうなぁ。

〈キャスト(声の出演)〉
トットちゃん/黒柳徹子(大野りりあな)
小林先生/小林宗作(役所広司)
トットちゃんのパパ/黒柳守綱(小栗旬)
トットちゃんのママ/黒柳朝(杏)
大石先生(滝沢カレン)
泰明ちゃん/山本泰明(松野晃士)
自由が丘の駅員(石川浩司)
ローゼンシュトック(ダニエル・ケルン)
齋藤秀雄(駒田航)
赤松小学校の先生(園崎未恵)
泰明ちゃんの母(加納千秋)

※2023年新作映画173本目
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