窓ぎわのトットちゃんのotayuのネタバレレビュー・内容・結末

上質な作品であるし、引き算の演出・脚本だけど、自分の子どもが最後まで観ていたように、子どもも観られる作りになっていたのは良かった。
また、戦争が激化するにつれ衣装が徐々に変わっていくなど、ビジュアルの変化もわかりやすく、戦争の悲惨さを伝える映画としても良かった。画のタッチをところどころ変えたり、映像作品としてもキレイだった。

一方で、エッセイの映画化なのでエピソードの段積みっぽく（もちろん小児麻痺の少年との友情物語ではあったが）、映画全体の縦軸に乏しく、どこに向かっていく映画なのかわからないのが見づらかった。

またあの時代から始まるので、映画のミッドポイントは確実に”戦争”になるだろうとわかっていたため、展開もある程度予想できてしまった。もちろんその中で、どの視点で切り取るかが重要で、その切り取り方は素晴らしかったと思うのだけど…。