オッポロゲンガー

窓ぎわのトットちゃんのオッポロゲンガーのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ともえ学園入学前の別の学校の教室からちんどん屋さんを呼び込むシーン「ひ!ふ!よ!」だかの掛け声の「ふ」の所、担任の先生が倒れながら息を吐いて「ふぅ」と言ってる所から心奪われた。今から素晴らしい物語が始まる!と心が震え泣いた。もう泣いた、そこで。
そしてともえ学園に初めて訪れ校長先生がずっとお話を聞いてくれるシーン。何時間も、要領の得ない話を「パパは音楽家だから泳ぐのが得意なの!」と、ただいつまでも興味深そうに。凄いことですよ。私なんか同僚の世間話もろくに聞けやしないのに。ここの優しさでも泣いた。
汲み取り式のおトイレにお財布を落としてそれを自分で拾ってうんちだらけになってるのを叱らず「終わったら戻しとけよ~」と言う校長先生。
この話を聞いた時のお母さんの気持ちは、どんなにほっとして有難かっただろう。
小児麻痺の同級生の子と木に登って、息子が初めてシャツを汚して帰ってきた時のお母さまの気持ちたるや。お母さまはずっと自分を責めていらしただろうと思うと胸が張り裂けそうでした。
もともと昼にやってたドラマトットちゃん!が大好きで、なんとなく知っていたけど、美しいアニメで見れてとても良かった。ほんとうに優しい映画。
ただ、やっぱりあの時代は子供も働き手だったろうから、ともえ学園に通えるような裕福な子たちとは別に、家族の爪弾きとして扱われた子達もいたんだろうな、というかそういう子の方が断然多かったんだろうな、とそちらにも胸を痛めた次第です。