反戦を謳った映像作品として十二分の作品であるとは思う。
ただ以下の点で乗り切れなかった。
①子どもの瑞々しい感覚を表現するパートで、トーンの違うアニメーターを起用するという試み自体は面白いのだけど、「子どもの豊かな想像」を描写する際、死角から巨大なものがグワングワン迫ってくる様をやられると、一気に「大人が作ったテーマパークで遊んでいる子」のように見えてしまうという難点を感じた(他作でもあるあるなんだけど)。流れ星の金平糖を食べるとこくらいの規模感がリアルかなと思った。
②また、終盤投下される爆弾が落下時に展開していく様がこだわりをもって演出されるのだけど、作劇上必要な描写に感じなかった。この場面も演出過多。
もう一度、原作本を手に取ってみようと思える出来の映像化ではあったものの、脚色に力が入りすぎるとノイズになることも感じさせる一作だった。