イチロヲ

殺しの占星術のイチロヲのレビュー・感想・評価

殺しの占星術(1932年製作の映画)
3.5
順風満帆な生活を送っている女子大の同窓生たち(アイリーン・ダンなど)が、占星術師による死の予言に脅かされてしまう。ティファニー・セイヤーの原作を映像化している、サスペンス映画。

「あなたは(こういう死因で)死んでしまうでしょう」という具体的な内容の手紙を受け取った女性たちが、「あらやだ!どうしましょう!」と混乱状態に陥ってしまう。予言と自己暗示の波状攻撃により、脳みそがコロッと行ってしまう恐怖が描かれる。

初老男性の占星術師は、ネガティブな予言を本人に伝えて良いものかと悩むのだが、秘書の妖婦(マーナ・ロイ)が言葉巧みにコントロール。鑑賞者に対して、真犯人が最初に示されるパターンになっている。

サイコロジカルな展開が続くのかと思いきや、後半に入るとヒロインに対する妖婦の嫌がらせ行為に落ち着いてしまう。その一方、「イジメっ子、世にはばかる」を想起させる着地点に、映画的な面白さが詰まっている。
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