ユースケ

怪獣総進撃のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

怪獣総進撃(1968年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【怪獣大戦争】同様、宇宙人による地球侵略を描いた【マーズ・アタック!】の元ネタであり、怪獣ランドというテーマパークの崩壊を描いた【ジュラシック・パーク】と【ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク】の元ネタであり、そのまんま【ゴジラ FINAL WARS】の元ネタである【ゴジラ】シリーズ第9弾(昭和ゴジラシリーズ第9弾)は、ゴジラ、アンギラス、モスラ(幼虫)、ラドン、キングギドラ、ミニラ、クモンガ、バラン、マンダ、バラゴン、ゴロザウルの11体の怪獣が登場する集大成的な一本。
キャラクターの使用期限が切れてしまったキングコングが登場しないのは仕方がないと思いますが、どうせだったらモスラ(成虫)も、エビラも、カマキラスも登場させて欲しかったし、なんならマグマも、メカニコングも登場させて欲しかったです。

とりあえず、みどころの怪獣プロレスは、アナウンサーによる怪獣紹介(バランを除く)付きの入場シーンは素晴らしかったのですが、キラアク星人の「地球の怪獣では歯が立たない」という言葉とは裏腹に10体の地球の怪獣に宇宙怪獣キングギドラがリンチされるシーンは、【怪獣大戦争】のX星人続きキラアク星人に操られ、ミニラごときにトドメを刺され、最早キングの風格を失ったキングギドラの姿に悲しく気持ちになりました。それにしても、リンチした地球の怪獣を人間が操っていると思うと後味が悪いです。

更に、キラアク星人に洗脳されたアンドロイド少女ゼロ・ワンこと小林夕岐子を洗脳から解放するために洗脳ピアスをむしり取って流血させ、「成功するか死ぬかだ!」とか「(地球に)帰ることなんて考えるな!」とか暴言を吐く、中二病な久保明をはじめ、記者の質問に対して質問で答える海底軍艦・轟天号の艦長・神宮司八郎こと田崎潤、見事な飛び降り自殺を披露する我らが土屋嘉男、久保明を信じてコーヒーをかます佐原健二など、エキセントリックな登場人物もたまりません。
「ちくしょう」が口癖の多田参謀少佐を演じたダイヤモンド・キックこと伊藤久哉、地下鉄の出口に笑顔で張り込む国際警察刑事を演じた吸血植物ケロニアこと桐野洋雄、キラアク星人に洗脳された怪獣ランド技師・黒岩信(28)を演じたウルトラマンこと黒部進も要チェック。

ゴロザウルがバラゴンと間違えられたり、マンダかツノもキバもヒゲも剥ぎ取られてヘビみたいだったり、バルゴンとバランは完全に空気だったり、文句を言ったら切りがありませんが、集大成=祭りなのでこれくらいにしておきたいと思います。ムーンライトSY-3がかっこいいからそれでいいじゃあないか。

ちなみに、キラアク星人の名前の由来は企画段階で本作のタイトルが【怪獣忠臣蔵】だったために【忠臣蔵】の吉良上野介の吉良(キラ)と悪役の悪(アク)から名付けられたそうです。

久保明、佐原健二、土屋嘉男、小林夕岐子