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BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-のBremingerのレビュー・感想・評価

BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-(2024年製作の映画)
4.1
TVアニメ版の「エスタブライフ」は見ずにに本作を鑑賞しました。ギャグテイストっぽかったTV版に対し、しっかりと人が死んでいくっぽい今作はかなり温度差があるんだろうなーと思って敢えて見ませんでした。

ハイクオリティなアニメーションに、荒唐無稽な世界、声優陣の熱量、オリジナルアニメのパワーをこれでもかと感じられる素晴らしい作品でした。

荒廃した東京が舞台で、そこを舞台にヤクザとか吸血鬼とかごちゃ混ぜにした逃避行という、ジャンルミックス大好き人間にとっては大好物みたいなものが現れてくれました。

教育という概念が多分どっかに行って、塾で物事を習う特殊なシステムになっていたり、職業的にはヤクザが都市部を担っていたりと、中々にハードな世界で生きるルナルゥとお兄様、吸血鬼もといドラゴンとの戦闘を潜り抜けるキサラギと、登場人物がどんなキャラなのかを自然に分からせてくれるのはかなり良かったです。

PG12指定なので、しっかりとした流血描写が盛り込まれています。
殴る蹴るはもちろん、刀や銃も盛り盛りで、首を掻っ切ったり、体中に穴を開けたり、胴体真っ二つになったりと、地上波でも攻め攻めなものを大スクリーンで観れて良かったです。

アクションは全体的にスピード感満載なので、洋画アクションが好きな人ほどキャッキャいって楽しめるのではないかなと思います。
列車と戦闘機とのチェイスは見応え抜群ですし、アニメ版の主役たちの逃し屋たちがしっかりと役割を果たしていたのも良かったです。

転法輪vsキサラギの最終タイマンバトルは見応え抜群でした。アホみたいに動き回るカメラワークに、銃をぶっ放しまくっては避けまくってと、ド派手に物事が展開されて面白かったです。
決着をつけてからも、死んだと思ってたジャミが落下したキサラギを持って帰ってきて、ルナルゥの元へ向かうといった終わり方はかなり好みでした。ジャミも最初はやかましいなぁとばかり思っていましたが、いざ死んだと思ったら悲しかったですし、生きてることが分かったらとても嬉しかったと、理想的なキャラになっていました。
できるならアニメシリーズかOVAでその後の世界も見て見たいものです。

敵キャラの伏線回収は基本放りっぱなしだったのが残念だったなと思いました。全部は無理だとしても、二重人格の子はあの後どうなったんだ?というところは気になってしまいました。これもOVAあたりで補足を…。

個性全開のアニメ映画を新年から観れて良かったです。カルト的な人気が出てくれればなぁと思います。
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