No.2708
私は野球が大好きなのだが、オリックス在籍時、全盛期のイチロー選手と、落合博満氏の天才二人が打撃について語り合っている動画を見て受けた時の感覚と、
この甲野先生から受ける感覚は非常に近い。というか、同じかもしれない。
言葉で説明するのは至難のはずなのに、超一流同士だと、なぜか言葉で打撃や、身体の使い方について通じてしまう。
イチロー氏や落合氏の話から「ただの野球論だけではくくり切れない、ある種の哲学性」を感じるのと同じで、
この甲野先生も、お話だけをずっと聞いていたら、物理学者か社会学者みたいだし、生物学者か、あるいは哲学者のようでもある。
身体の使い方を言葉で説明するといろいろ矛盾が生じるのに、でもそれが実際に身体で表現、操作できてしまう、
という矛盾を、矛盾のまま、矛盾として取り扱う、という、何とも摩訶不思議な甲野ワールド。
アインシュタインの話まで出てきたときは、「この人が研究してる身体のことって、他のあらゆる分野でも考え方としては説明がつくんだろうな」と思った。
あと、「プロの楽器演奏者の人が、肩が痛いとか腰が痛いとか言ってるのは、身体の使い方が間違っているわけだから、プロとして認めない」と言い切ってたのには、なるほどな、と思わず笑ってしまった。
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